しくじらない戦略


トランプ氏は「しくじらない」と述べ、選挙戦略を転換する方針(英語音声のみ) Photo: Jewel Samad/AFP/Getty Images

米大統領選の候補者指名を争うニューヨーク州の共和党予備選で大きな勝利を収めたドナルド・トランプ氏は、選挙戦略を大きく変更する方針だ。その一環として、外交に関する演説を行い、テレプロンプター(原稿表示装置)やスピーチライターを利用する。

トランプ氏と再編された陣営はまた、しばしば敵対し、トランプ氏の攻撃の的になっているワシントンの共和党指導部への働きかけも増やす。より従来型の選挙戦を展開するために多額の資金も投入する。

同氏はインタビューで、変化の必要があることを認め、「戦い方は進化し、変化している。私もそうだ」と指摘。「私はより優れた、かつ自制心のある」候補になると述べた。「しくじらない」ために自身が変化しているとも話した。

だが、トランプ氏は、大規模な集会でのスタイルや受けのいいメッセージは大きく変えない方針を示した。「私はそれでも同じ候補者だ」とし、(それらを変えれば)「何時間も待った支持者がどれだけ怒ることになるか想像できるか」と述べた。

実際、ニューヨーク州の予備選後で初となった20日のインディアナポリスでの集会では、トランプ氏は相変わらずだった。抗議のヤジを飛ばす参加者が退場させられるなか、テッド・クルーズ上院議員を「うそつきテッド」、ヒラリー・クリントン氏を「くせ者ヒラリー」と呼ぶなどした。

トランプ氏はニューヨークの予備選で約60%の票を獲得し、共和党の指名争いでトップの座を固めたが、クルーズ氏をはじめとするライバルをかわして必要な代議員1237人を獲得するには至っていない。

最近トランプ陣営に加わったベテラン政治コンサルタントのポール・マナフォート氏は、現在の目標について、「総票数と代議員で大きく引き離し、トランプ氏が候補になる必然性を強める」ことだと述べた。26日に行われる5州での予備選は、トランプ氏に有利なようだ。

トランプ氏の選挙戦やスタイルが変化し始めたのは、今月マナフォート氏が加わってからだ。同氏は代議員獲得や混乱するかもしれない党大会の対策要員として採用された。だが、非正統的な運営を見直した結果、より従来型の選挙戦に移行する役割も担うようになった。

新たな動きは、選挙対策責任者のコーリー・ルワンドウスキ氏の信念である「Let Trump be Trump(トランプ氏がトランプ氏らしくいられるようにする)」からの方向転換を示す。ルワンドウスキ氏によれば、マナフォート氏がいるおかげで、ルワンドウスキ氏は全てを仕切るのでなく「日々の運営を監督する」ことに集中できるという。

改革の一環として、トランプ氏は27日にワシントンで外交関連の演説を行う。経済と安全保障の関係もテーマだ。同氏は「われわれは諸国を守っている。そして、その防衛にふさわしい代償を受け取っていない」と述べた。

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