なぜ、いまデータ管理が大事なのか


昨今のコンピューティングの世界をみると、仮想サーバ環境やコンピューティングクラウドも一般的になりました。これらの仮想化技術をもとにしてシステムをより柔軟に設計し、迅速に展開できるようになりましたが、一方で管理が必要なインスタンスの数やデータ容量が爆発的に増加する原因にもなっています。

企業のITインフラを取り巻く環境や課題が変わってきている今、長期にわたって持続可能な運用環境を実現するためには、ユーザー企業の実業に基づく「業務」と業務で利用・生成される「データ」そのものの両方に着目してシステムを検討する必要が生まれてきました。この連載では、データを活用できる攻めのITインフラを検討するにあたって、注意すべきポイントや参考情報をご紹介したいと思います。

「データ」の位置づけの変化

ひと昔前までの企業の資産は「ヒト・モノ・カネ」の3つで構成されるとされていましたが、近年は「ヒト・モノ・データ」と、情報そのものが資産であり、実業そのものであるというように企業価値の尺度が変わってきているとされます。これに伴い、対処すべき課題や要件も位置づけが変わってきています。

データが重要視される背景には、「日々発生している情報自体に価値がある」と理解され始めたことが挙げられます。具体的には、膨大なデータ(実績)から次のトレンドを見つけるビッグデータ解析、最適な方式を類推・演繹するプロフェッショナルシステム、人工知能やディープラーニングなどの技術が脚光を浴びています。

ディープラーニングは、ニューラルネットワークの多層化、特に3層以上のものに対し、1990年代に進められた脳、特に視覚野の研究や、One Learning Theory、ブルーノ・オルスホーゼンによるスパース・コーディング理論を基にしたアルゴリズムが実装されたものを指す。

→wikipedia参照

また業務自体にも、汎用品の大量生産からニーズに応じた多品種・少量生産へ主流が移り、さまざまな場所で競争も激化していることから、今まで以上に速いスピードでデータを活用できる柔軟な対応が求められつつあります。これは、もともとデータ活用が進んでいるEコマースやデータセンターといったIT関連の業種だけでなく、 製造業での新規販売網の展開や金融IT(FinTech)など、さまざまな業種・分野に共通した変化と言えます。

電子商取引(でんししょうとりひき、英: electronic commerce)とは、コンピュータネットワーク上での電子的な情報通信によって商品やサービスを売買したり分配したりすること。略称は「eコマース」(イーコマース)「イートレード」など。消費者側からは「ネットショッピング」とも呼ばれている。                                                       →wikipedia参照



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このような環境においてデータを活用し、ビジネスの競争力を維持・向上するためには、データの保全をためらうような仕組みがあってはなりません。それに、ビジネスを直接支援するITインフラへ段階的に移行していく必要があります。その為には、この「価値あるデータ」をいかに効率よく管理するかが、ITインフラの肝です。

データ管理のチェックポイント

まず「データ管理をどう改善するか」という点を掘り下げていきます。次の3つの観点に着目してシステムのおおまかな要件を整理します(表・図1参照)。

itshohou0101.jpg 表:要件を整理すると

itshohou0102.jpg 図1:データ利用環境の変化

これらの観点から現状を整理したうえで、自社が持つデータの種別を次のようなタイプ毎に必要となるシステム要件を洗い出し、標準化を進めていくことになります(図2参照)。

  • 管理系データ(OSやアプリケーションプログラムのマスターデータなど、通常変更が発生しないデータ)
  • 業務系データ(取引データ、CADデータ、メールなどコミュニケーションシステムデータなど、通常更新が発生する実業務システム関連データ)
  • 情報系データ(部門共有ファイルサーバなど、通常更新が発生する実業務システム外データ)

itshohou0103.jpg 図2:データ種別の分類

これまでのITインフラとの違い

先に挙げたチェックポイントは、いずれも単純な機能・性能の観点だけではなく、大きな方針を問う内容になっていることが分かります。

従来、企業のITシステムは業務部門からの依頼に基づいて業務単位で要件を定義し、個別に最適な構成が検討・実装されてきました。その結果として、部分最適ではあるものの企業全体として最適な構成を取ることが難しい状況でした。それが、今は仮想化といったさまざまな技術が定着し、企業規模によらず柔軟なシステムを一つの基盤として用意できる環境へと一気に変化してきています。

今回ご紹介した「データ管理」の観点はSIerに任せるだけではなかなか整理ができない課題です。基本的にはユーザー企業が理解して整理することが求められる内容ですが、これまでは幸いにも(不幸にも?)注目する必要がなかったものであり、「人が増やせない」「IT部門にはハードルが高い」と感じられるかもしれません。

この点は日本の企業文化として定着しているものであり、すぐに変えられないことは各ベンダーやSIerも理解しています。日本市場独特のサービスとして、ユーザー企業と協働することを前提とした部門や場所(コワーキングスペース)、サービスを用意するSIerもこの1、2年で出てきました。まずはこういったSIerが提供するサービスを利用しつつ、みなさんそれぞれの企業規模や文化・体制に応じて、中長期的に自社内で養成するのか、外部とコラボレーションを維持しつつ運用するのかを検討していくとよいでしょう。

これからの連載ではデータ管理を検討する際に必要な項目と選び方、最新事例・技術を紹介していきたいと思います。次回は、本稿でチェックポイントとして挙げた指標について、具体的にイメージできる例を交えてご紹介します。

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2 thoughts on “なぜ、いまデータ管理が大事なのか

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