タカタ、債務超過の懸念…自動車メーカーの利益まで蝕み始める、いまだに「原因調査中」


タカタが存続の危機に立たされている。2015年4-12月期(第3四半期累計)の連結決算は増収増益となり、通期業績見通しではエアバッグのリコール関連費用を特別損失に追加計上したものの、最終利益50億円に黒字転換する見通しを据え置いた。
一方で、米国当局の指導によって自動車メーカーによるタカタ製エアバッグリコールは依然として拡大している。原因が判明していないことから関連費用は自動車メーカー各社が負担しているが、これらのコストはいずれタカタに求償されると見られ、潜在的に大きな負債を抱えたタカタは正念場を迎えることになる。

リコール対策費の見積もり「困難」

「タカタとの話し合いについては一切明かせないことになっている」(自動車メーカー役員)

タカタは1月29日、エアバッグを納入している自動車メーカーの調達担当役員を集めて説明会を開いたものの、秘密保持契約を結んでいる模様で各社とも内容を明かしていない。タカタは会合の開催は認めたものの「会合に関して開示すべき事項はない」としている。会合でタカタからは、今後のリコール対策などを中心に説明があった模様で、一部で報じられたような自動車メーカーにタカタが経営支援を要請することまで踏み込んだ話はなかったと見みられる。

昨年12月末にタカタ製エアバッグの不具合が原因とみられる運転手の死亡事故が発生したことを受けて米国高速道路交通安全局(NHTSA)は、追加で500万台をリコールするよう自動車メーカーに指導することを決めた。タカタ製エアバッグによる死亡事故は全米で9件目、世界で10件目。

増え続けるリコール台数にタカタの経営危機は一段と深まるが、表面上のタカタの業績は順調だ。15年度第3四半期累計の売上高は前年同期比15.7%増の5434億円、営業利益が同37.7%増の321億円、四半期損益が前年同期の324億円の赤字から25億円の黒字に転換した。10-12月期でも増収増益を維持している。

通期業績予想も売上高が同12.0%増の7200億円、営業利益が同21.4%増の400億円を予想。最終利益が前年同期の295億円の赤字から今期は50億円の黒字となる見込みを変えていない。タカタのリコール問題が世界的に拡大するなかで業績が安定しているのは、自動車メーカーが自主回収して予防的措置として無償修理する調査リコール費用を、タカタが計上していないためだ。同社は「(同社に)製品の瑕疵が認められた場合、調査リコール費用を一定割合負担する可能性がある」としながらも「現時点では原因について調査中で、負担金額を合理的に見積もることは困難」としている。
リコールは通常、事故などの未然防止のため、不具合の原因を特定してから製品を回収・無償修理する。原因が特定されなければ再発する懸念があるためで、原因に応じて自動車メーカーとその部品に関連するサプライヤーなどがリコール費用を分担する。

調査リコールとは、原因が特定されていないものの、安全を確保するため自動車メーカーが予防的に実施する不具合対策。このため、原因がはっきりと特定するまでは、自動車メーカーの負担でリコールして、のちほど不具合の原因が特定された段階でサプライヤーと交渉して負担割合を決める。タカタエアバッグが異常破裂した原因は第三者機関を含めて調査されているものの、依然として判明していない。

自動車メーカーの業績にも影響

タカタの業績が安定的に推移している一方で、エアバッグのリコール関連費用を肩代わりしている自動車メーカーの業績に影響が及んでいる。タカタ製エアバッグの採用割合がもっとも高いホンダが発表した15年10-12月期の連結決算の営業利益は、新車販売が順調に推移したなかで同22.3%減と大幅減益となった。約500万個分の追加リコール費用を計上したためだ。15年4-9月期までは同7.9%増と増益だったのが、同4-12月期(第3四半期累計)では一転、同3%減と減益となった。リコール対策を含む品質関連費用は約3200億円に達して、新車販売の増加やコスト削減による増益効果を品質保証費用の増加で打ち消したかっこうだ。

タカタ製エアバッグのリコールは世界で5000万台を超えており、リコール関連費用の多くを自動車メーカーが肩代わりしていることから、タカタの潜在的な負債は膨らみ続けている。自動車メーカーが一部負担したとしても、タカタの負担は3000億円に達するとの見方も出ている。タカタの純資産は約1450億円で、自動車メーカーが一斉に求償した場合、債務超過に陥る可能性の現実味は増してきた。

ただ、グローバルなエアバッグメーカーは、世界でもタカタ、オートリブ、ZF TRWなど、数社にとどまる。自動車の安全装備を充実するため、車両1台当たりのエアバッグ搭載数は増え続ける傾向にあり、仮にタカタが倒産する事態に陥ると、自動車メーカーの自動車生産に支障が及ぶ。このため、自動車メーカー各社はタカタから要請された場合、経営支援することも視野に入れる。

ただ「財政的に支援するならトップには責任を示してもらう」(自動車メーカー役員)と、タカタの高田重久会長兼社長の辞任を求める声はある。タカタは1月29日に開いた自動車メーカーに対する説明会合に関するコメントで、「会長兼社長の辞任に関する報道があったが、現時点で辞任する意向はない」としている。

当面は、エアバッグの不具合の原因について、タカタや自動車メーカーが調査を要請している第三者機関などの調査結果待ちの状態が続く見通し。膨らみ続ける潜在的な負債を抱えたタカタの先行きを、世界の大手自動車メーカーも注視している。

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