成長する社内SNS市場、スタンプもOK


企業内の情報共有や業務上のやり取りに使える「社内SNS(交流サイト)」が、使い勝手の良さや導入コストの割安さから注目を集めている。記者も以前何度か取材をする機会に恵まれ、その便利さには関心を持ってきたが、会社で利用しているわけではない。そこで今回、実際に導入している企業がどのように役立てているかを調べてみると、思いもよらないユニークな活用法が見えてきた。

なじみのない読者のために、社内SNSとはどのようなものか、簡単に説明しておこう。代表的なSNSであるフェイスブックや無料対話アプリのLINEについては今さら説明するまでもないが、社内SNSとはこうしたコミュニケーションツールの様々な機能を、企業が業務用に特化して使えるようにしたものだ。

5年で2万社以上が採用

業界で特に伸びているのが、2011年にネットベンチャーのトークノート(東京都港区)が提供を始めた「Talknote(トークノート)」。2015年12月末時点で2万社以上が採用している。

使い方はシンプルだ。顧客企業は登録後、社内の部署別やプロジェクト別にグループを作成し、メッセージや営業成績など各種データを投稿してやり取りすることができる。全員に公開する「タイムライン」、テーマに応じて特定のメンバーに公開する「グループ」、一人とチャット形式でやり取りする「メッセージ」と共有の仕方も分けられる。

トークノートでは部署別やプロジェクト別に手軽にグループが作れる

こうした基本的な仕組みはフェイスブックなどと同様だが、業務用ならではの特徴もある。タスク管理機能など仕事上で利用する機会の多い機能が充実しているほか、会社で登録した端末のみ利用設定ができるなどセキュリティ上の対応も行っている。料金体系は登録人数・投稿数制限つきで1人月額430円(年額一括払いの場合)から、専用カスタマイズが可能な同4980円以上(同)まで4種類を用意している。

先行する欧米ではプロジェクトごとなどに参加者がページを作って情報を共有できる米国発の「Slack(スラック)」が急成長。「日本でも関心が集まり始めている」(ネット業界関係者)。国内勢でも有力なサービスが相次ぎ出てきている。

市場規模は拡大中

チャットでのやり取りのほかファイル共有やタスク管理も簡単にできる「ChatWork(チャットワーク)」は導入企業が9万社を突破した。キヤノンマーケティングジャパンが中小企業向けの情報共有システムで、社内SNSの機能を盛り込んで2016年中に発売を計画するなど大手も需要開拓に乗り出している。調査会社のシード・プランニングによると、社内SNSの国内市場は2017年に44億円と2015年の1.4倍に成長する見込みだ。

トークノートでは、より使い勝手を高めるため機能面の強化も積極的に進めている。2月中旬からは従来、利用の範囲を社内の関係者(社員・アルバイトなど)に限定していたが、社外の取引先や業務委託先のメンバーを招待できる機能を追加。取引先の社員らがアカウントを作成し、招待されたグループ内で情報交換などができる。

業務上でもスタンプを活用

さらに、今春にはLINEなどで知られる「スタンプ」を社内SNSでは珍しく導入する計画だ。業務用途を意識した「承認」「よろしくお願いします」などのスタンプをまず100~200種類用意するほか、企業が独自のスタンプを作成できるようにもする。トークノートの小池温男社長は「付加価値のある機能を拡充していくことによって、業務の効率化や社内コミュニケーションの深化をサポートしていく」と語る。

トークノートの小池温男社長は「今後は社内SNSの需要が一層高まるはず」とみる

トークノートを導入している顧客企業は通信、IT(情報技術)、不動産と幅広いが、特に活用が目立っているのが外食企業だ。

店舗が全国に散らばり細かいやり取りも多い一方、アルバイトスタッフのモチベーションを高めるなどケアも重要。メールでのやり取りは煩雑で、交代制のため社員やスタッフ全員が顔をあわせる機会も少ない。

こうしたビジネス環境では、スマートフォン(スマホ)でも利用できるトークノートが役立つというわけだ。「塚田農場」を手がけるエー・ピーカンパニーや、「丸亀製麺」のトリドールなど有力企業も顧客になっている。

そして今回、具体的な活用法について話を聞いたのが、居酒屋「相席屋」などを手がけるセクションエイト(東京都品川区)。「出会い系居酒屋」などとも称され、若者を中心に大きな注目を集めている。記者はあいにくまだ行ったことはないが、会社の後輩を連れて通っている友人もおり、一度はどんなところか覗いてみたいと思っていた。

パクリ防止に情報共有

相席屋は全国に直営・FC店含めて約70店を展開。都内の店舗などでは早くから行列ができているのを目にすることも珍しくなく、人気・知名度とも急上昇している。

ただ、こうしたユニークな業態は必ず真似をされ、類似店が出てくるのが外食業界の常。セクションエイトの太田光則取締役は「相席屋が知られるにつれ、雨後の筍のように同じような店が登場している」と苦笑する。さらに、FC店が増えれば、サービスや店舗の雰囲気も含め、直営と同じ水準を保つのも難しくなる。

相席屋は「婚活応援酒場」と銘打ち人気が急上昇している

そこで、同社が活用しているのがトークノートだ。物件調査や商品の発注、アルバイトの採用管理、日々の営業成績などあらゆる業務上のやり取りはトークノートを使っている。さらには、類似店を社員が見つけた際には即時にトークノートで情報を共有。悪質な場合には法的手段を取るなど、「パクリ防止」にも役立てている。

また、昨年からはいち早く外部連携の機能を導入させてもらい、試験的に利用してきた。従来は社内関係者には含まれなかった、FC店のオーナーや社員にも参加してもらうことで、オペレーションや販促キャンペーンの周知徹底や、課題の共有などに役立てている。太田取締役は「デイリーで重要なやり取りができることにより、運営効率が格段に向上した」と話す。

トークノートでは、「導入企業が増えるにつれ、独自の活用法を工夫しながら運用しているケースも目立っている」(広報)と分析する。単純な業務上のやり取りだけでなく、社員のモチベーションを高めたり、気軽にアイデアを出し合えたりするネット上の「会議室」として役立てたりすることもできるだろう。社内の連絡手段は基本がSNS、という時代が早晩やってくるかもしれない。

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4 thoughts on “成長する社内SNS市場、スタンプもOK

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